◆「自炊」とは何か?
電子書籍ユーザーなら、「自炊」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
電子書籍における「自炊」とは、自分で食材を買って料理を作ること……ではなく、紙の蔵書をデータ化し、自分専用の電子書籍にすることを指します。
データを「自ら吸い上げて」電子書籍化することから、「自吸」が転じて「自炊」と呼ばれるようになった……と言われています。
◆「自炊」のメリット
「自炊」を行うメリットは、大量の蔵書をひとつの端末に入れて持ち運びできることです。
自宅に本を置くスペースがない、読みたい本がすぐに取り出せない、旅行先に本を持って行くと荷物がかさばる……といった問題が、「自炊」によって一気に解決します。
<わざわざ「自炊」しなくても、Kindleで買えばいいんじゃない?>と思う方もいるかもしれませんが、現在市場に出回っている本の中で、電子書籍化されている作品はごく一部。
たとえば村上春樹さんの小説は、2013年に出版された新刊『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を除いて、電子書籍化されていません(※2016年7月に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』など初期作品が電子化予定)。
また大量の蔵書を抱えている方にとっては、コストの面から考えても、電子書籍を買い直すより「自炊」の方が安く済むでしょう。
◆「自炊」の方法
「自炊」の一般的な手順は、
- (1) 紙の本を裁断する
- (2) スキャナーを使ってパソコンにデータを取り込む
- (3) パソコンから電子書籍リーダーにデータを送る
という、非常にシンプルなものです。
本の裁断は、カッターを使って自力で……という方法もなくはないですが、「裁断機」という専用の道具を使うことをオススメします。
Amazonで裁断機を調べてみると、数千円から数万円まで、様々な種類の製品が取り揃えられています。数冊であれば簡易的な裁断機でもよいと思いますが、本棚をまるごと電子書籍化したい!と考えている方は、値段は張りますが以下のような「自炊」向けの裁断機を購入したほうがよいでしょう。
Amazon.co.jp : DURODEX 自炊裁断機 ブラック 200DX
続いてはスキャナーです。「自炊」の定番と言われているのが、富士通の「ScanSnap」シリーズです。読み込みのスピードも速く、シンプルながら使い勝手がよいため、「自炊」には最適なモデルです。
Amazon.co.jp : 富士通 FUJITSU ScanSnap iX500 (A4/両面/Wi-Fi対応) FI-IX500A
スキャナーを使って書籍のデータをパソコンに取り込んだら、あとはそれをパソコンから電子書籍リーダーに送るだけです。Kindleの場合は、以下のページを参照してください。
◯Kindleパーソナル・ドキュメントサービス
http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=200767340
◯USB経由でFireタブレットまたはKindle端末にパーソナル・ドキュメントを転送する
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201974290
◆「自炊」代行業者
<「自炊」ってなんか面倒くさそう……>と思った方のために、上記の「自炊」作業を代行してくれる業者も沢山あります。
価格は業者によって異なりますが、1冊100円前後のところが多いです。
【大手自炊代行業者】
- BOOKSCAN(ブックスキャン) ― 1冊価格 100円(税別)から
- snapbook(スナップブック) ― 1冊価格 100円(税別)から
- 電子書籍本家 ― 1冊価格 130円(税別)から
- 未来BOOK ―1冊価格 138円(税別)から
◆もっと「自炊」について知りたい!という方へ
「自炊」を詳しく解説した電子書籍を紹介します。
Amazon.co.jp : 自炊ノ全テ(佐藤貴明)Kindle版
Amazon.co.jp : 「自炊」のすすめ 電子書籍「自炊」完全マニュアル(山口真弘 、まつもとあつし)Kindle版
Amazon.co.jp : ScanSnap 徹底活用技 今すぐ使えるかんたんmini(芝田隆広)Kindle版