作家の野坂昭如(のさか・あきゆき)さんが12月9日夜、心不全のため死去した。85歳だった。
野坂昭如さんは、63年に「エロ事師たち」で文壇デビュー。68年には「アメリカひじき」「火垂るの墓」で第58回直木賞を受賞した。また、作家だけでなく、政治家、歌手としてとしても活躍。多彩な顔を持ち合わせていた。
新潮社によれば、野坂さんは新潮社の月刊誌「新潮45」に平成19年から100回以上に渡って連載を続けており、最新号のための原稿が9日午後3時半ごろ、ファックスで編集部に届いていたという。
野坂さんは平成15年に脳梗塞で倒れ、体が不自由になってからは、口述した原稿を家族が文字に起こす形で執筆活動を継続。原稿は日記形式で、野坂さん自身の近況のほか、12月8日の太平洋戦争の開戦の日にちなんで戦争や平和について書かれ、亡くなる直前まで、平和への強い思いを持ち続けていたことがうかがえたという。
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引用元:NHKニュース