笑えるパロディも魅力!TVアニメ化
あそびにいくヨ!は猫耳の美少女宇宙人と成り行きで同居しながら、様々な宇宙的事件に巻き込まれていく、いかにもなライトノベルですが、そういう軽さとは別にとても古風な感じのするSFでもあります。これはこの作品には、元ねたがあり、それがスタートレック、宇宙大作戦という懐かしく、今となっては夢と希望に溢れた冒険の物語だったからでしょう。この作品、あそびにいくヨ!の世界で私たちの地球を訪問してくる猫耳宇宙人はその美少女のような外観や子どものような無邪気さとは別に、私たち地球人とは違ってずっと長いあいだ文明社会を維持し続けてきた、高度な文明を持つ宇宙人であり、地球人と違って老成しているともいえる落ち着いた文明人であり、そういう発展した文明を描く、文明批判の書でもあります。
そういうまじめさが、猫耳美少女のヒロインの可愛さに隠されたこの作品の魅力と言えるでしょう。また著者の出身地である沖縄を舞台としていて、実際に生活している人ならではのリアルな描写も魅力ですが、それだけでない大国のエゴイズムや利害に翻弄される立場が国家レベルの謀略に巻き込まれていく主人公の不本意さに印影を与えています。でもこのあそびにいくヨ!は決して暗い話でありません。彼らは真に友好だけを求めてやってきたのです。私たち地球には何もにも変えがたい未来と可能性があり、まだまだ若く、魅力にとんだ文明であることを感じさせてくれます。
本作はTBS系列や独立系UHFなどでTVアニメ化され2010年7月~同年9月まで放映もされていました(沖縄は11月まで)。