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うしおととら

藤田和日郎のうしおととら(電子コミック)レビュー

うしおととら 小学館漫画賞受賞 【電子コミック】

著者 ページ数 クチコミ評判
藤田和日郎 172ページ ★★★★☆

未読の方は読んで損なし「名作中の名作」

うしおととら」は1990年から1996年に週刊少年サンデーにて連載されていた藤田和日郎の名作中の名作漫画です。「熱血」「真面目」「元気」をそのまま具現化した様な主人公のうしおが、伝説の退魔の武器「獣の槍」をふるい、恐ろしいほどの強さを持つ大妖であり、もう1人の主人公でもある、とらと大冒険を繰り広げていく、妖怪大冒険活劇といえます。

最初は、反目しあっていた2人が徐々に認め合って行きお互いを補いながら成長し、押しも押されもせぬ名コンビになって行きます。作者の藤田和日郎氏による、迫力のある作画深みのあるストーリー練りに練られた完璧な伏線など、最後まで読めば、全て納得させられ、ここまで胸いっぱいにさせてくれる作品を他の追随を許しません。

2人が刻む冒険の道のりが徐々に広がり、日本の存続を賭けた最終決戦まで一気に駆け抜けて行き最終的には全て繋がって行きます。2人の冒険には全て意味があった、終盤でのストーリーの盛り上がりは鳥肌モノです。

妖怪が多数出てきますので、多少のホラー描写、残酷描写は出てきますが、それを上回る感動の展開、コミカルなキャラクターによる、ユーモラスな掛け合いなどがありますので、あまり気にはなりません。見どころがありすぎて紹介しきれませんが「うしおととら」を未読な方はもったいないので、是非手に取ってください。

<うしおととら みんなの感想>

◆うしおととらの見どころは、主人公であるうしおと、妖怪であるとらの、言葉では語れないような絆が形成されていくところでしょう。最初は食うか食われるか、という関係性でしたが、多くの人との出会いや戦いを通じて変わっていきます。また、伏線や設定が生きている作品なので、どんな話も面白いのも良いところです。そうして迎える最後の戦いは涙なしでは見られません。

◆うしおととらは、人間であるうしおと妖であるとらのやりとりが楽しく、妖退治も痛快です。スプラッターな描写もありますが、少年漫画的な爽やかさも併せ持っているため読み進めることができます。人との縁や妖との縁など様々な縁により物語が進み、途中の本筋とは関係ないであろうバトルすらすべて伏線になっているため、ラストの盛り上がらも素晴らしいです。

■受賞歴
第37回(平成3年度)小学館漫画賞受賞
1997年星雲賞コミック部門賞受賞
日本のメディア芸術100選マンガ部門選出(文化庁)



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