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がんばれ!キッカーズ

ながいのりあきのがんばれ!キッカーズ(電子コミック)レビュー

がんばれ!キッカーズ 第32回小学館漫画賞児童部門受賞【電子コミック】

著者 ページ数 クチコミ評判
ながい のりあき 121ページ ★★★★

アニメ化もされたさわやかサッカー漫画 でも流血多し

1984年から1989年までコロコロコミックなどで連載されていた、ながいのりあき先生のさわやかサッカー漫画です。主人公の大地 翔(だいち かける)が弱小サッカー部のある北原小学校へ転校してきたところから物語は始まります。主人公の翔はとにかく前向きなスピリットの持ち主で、とても明るい物語に仕上がっています。苦悩するシーンのなどもあるのですが、とにかく出来ないならどうやって出来るようにするかという思考は、ビジネスマンも参考にでき程です。とにかく前向き、そして可愛げもあるので読んでいて非常に前向きな楽しい気持ちになれます。

この前向きな主人公の思考に引っ張られるように、キャプテンの本郷を筆頭にやさぐれていたサッカー部の面々も前向きになりやがては地区大会準優勝を果たします。さらに翌年には地区大会を優勝し全国大会の出場を果たします。

本書の見どころはいくつもあるのですが、乱戦時の表現が秀逸で本当に乱戦っぷりが伝わります。かわいい絵なのですが、もう試合というよりも合戦を行っているような迫力があります。絵柄から判断するとどこにこれだけの迫力が引き出せるのか不思議です。

そして個人的に突っ込みたいところとしては、超プレミアリーグ仕様の審判たちです。いくつか現在のルールと違うところがあるのはわかるのですが、かなり審判の判定が厳しい(緩い)です。たまにバッファローマンのハリケーンミキサーが如き猛突進を喰らっても、もちろんノーファールです。あたりが激しいことで有名なイングランドのプレミアリーグですが、そんなプレミアリーグも真っ青な肉弾戦が繰り広げられます(特にコミックスの序盤)。しかし、この作品の審判は一定の基準をしっかり持っており、しっかりとイエローカードも提示します。二代目キャプテンになる健太君は唯一カードをもらう印象です。本作の見えないところで審判に悪態でもついているのでしょう。

本作がんばれ!キッカーズは、底抜けに明るい作品なのですが、意外に流血シーンが多いです。物語も中盤あたりに差し掛かると、だいたい毎試合誰かが額を割って流血しています。おもに主人公の出血率が高いですね。かわいそうに・・・。ですがカードは出ません。男らしいサッカーなのです。

大人になって読むと突っ込みどころも満載ですが、次が気になって仕方ない作品でもあり一気に読み進めてしまいました。こういった純粋で少年が前向きに成長していく明るいマンガは少年漫画の本来あるべき姿ではないだろうか、と改めて感じました。ちなみに同作は、1986年に日本テレビ系列でアニメ化もされており、さらには第32回小学館漫画賞児童部門受賞作品でもあります。間違いなく良作なので、読んだことが無い人はもちろん子供の頃コロコロで楽しんだ諸君も是非ぶっ通しで読んでもらいたい作品です。



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