異性への性転換がモチーフの人気異色作
ライトノベルとしてはちょっと異色のモチーフの「けんぷファー」。何が異色かといいますと主人公TSF(TransSexualFiction=異性への性転換のフィクション)がモチーフになっています。作者は築地俊彦。ライトノベルといえばイラストが重要なファクターですが書いているのは“せんむ”。コミカライズはもちろんTVアニメ化もされた人気作品です。
主人公は瀬能ナツル。容姿、成績、運動神経すべて平凡な高校生。将来の夢も公務員。物語は彼の語り口(ときに3人称になります)で進みます。
ある朝、ナツルが目覚めると青の腕輪のけんぷファーになっていたところから物語は始まります。「けんぷファー」とは敵対する違う陣営の「けんぷファー」と戦うことを運命づけられた存在です。青の腕輪のナツルの敵は赤の腕輪のけんぷファー。戦うために変身すると筋力や敏捷性が飛躍的に増加し、超人レベルの行動が可能となるのですが、そのためには「女性である」必要があるのだそうです。この辺りは説明不足の感は否めません。
憶えのない性転換に愕然とするナツル。事情が分からないまま戦いに巻き込まれるナツル。果してナツルの運命やいかに。
幼馴染・生徒会長・メガネっ娘の相棒など、魅力たっぷりの美少女満載(イラストで楽しめます)のバトル入り学園ラブコメディーです。読み出したら止まらないのがライトノベルの真骨頂。本書も深く考えずに気軽にドンドン読み進めます。