知の冒険を体験する
「これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学」は、アメリカ合衆国の有名な哲学者であり、また政治哲学者でハーバード大学教授のマイケル・サンデルによって書かれ、日本でも大ブームになりました。もともとはハーバード大学で政治哲学の教鞭をとっており、その講義が爆発的な人気になり、受講することさえ難しくなってしまうほどでした。その講義を本にしたのがこれからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学です。
正義の判断を巡る問いを次々と投げかけてきます。まっすぐに行けば3人が死ぬ。自分の判断でその道を変更できその場合は亡くなるのは別の1人。自分の判断と選択で命の選択を迫る究極の質問が問いかけられます。また貧困の問題や、お金で何かを解決することはいけないことなのか、などとても考えさせられる問いに読者は頭を悩ませます。そしてこの本の特徴はマイケル・サンデルが決して問いの答えを出さないことです。またこちらの選択のほうがいいだろうといった誘導も一切ありません。問いの状況を提示し、双方のメリット、デメリットを説明してくれるだけなのです。どちらの選択をするかは読者次第なのです。
まさに知の冒険へ誘ってくれる良書。それがこれからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学なのです。是非ハーバド大学で行われている良質な講義を体感してください。