元祖魔法少女マンガ
赤塚不二夫の代表作の1つで1962年から「りぼん」にて連載が開始された作品で何度もTVアニメ化もされた作品です。この原作を手にする方は、アニメから興味をもった方でしょうか、それとも自分の子供時代を懐かしむ方でしょうか、または原作者である赤塚不二夫(これを知って驚かれた方も少なくないかもしれません。)の新たな面を知ろうとする方でしょうか。
いずれにしろ、この作品は原作とアニメではその構造に大きな違いがあります。その原因は、原作では主人公のパパは登場しないのに対し、アニメでは同居していて頻繁に登場する点にあります。
ストーリーの見どころは主人公アッコちゃんが変身し新たな力を得るという点で、「ひみつのアッコちゃん」は元祖魔法少女モノであると言えます。魔法少女ものが受け手に与える「訴求力」は、変身することの意味合いがどのようなものであるか、という点です。パパが登場しない原作では、アッコの変身は理想の女性像であるママに近づくための手段です。東京オリンピック直前の当時、アッコのママは理想の女性像の一つの典型であり、小学五年生のアッコがまさに魔法でママに近づく手段である「変身」が当時の子供に大きな訴求力を持ったために支持されたのです。
対してアニメでは、変身はママに対向する存在となり、素敵なパパと結ばれる手段です。しかし、最後にアッコは魔法を失うことにより、パパは恋愛の対象でなく、「父」であることに気づき、家族関係の再構築が始まるのです。こういう視点から原作とアニメを比較するのも「大人の見方」を楽しむ方法です。