見どころは人間ドラマと言葉遊び
ライトノベル界で根強い人気を誇る作家「西尾維新」。そんな彼が原作を手掛けた漫画、それがめだかボックスです。週刊少年ジャンプで2009年から2013年まで連載されていましたが、連載開始当初は平凡な学園ものと見せかけて徐々に異能バトルへと変化していく、異色ともいえるストーリーの中に王道を貫いた作品と言えます。
完全無欠な少女、黒神めだか。箱庭学園2年生の彼女が生徒会長に就任して、まずはじめに設置したものは誰でも気軽に投票できる目安箱でした。平々凡々な同級生の幼馴染、人吉善吉も生徒会へと巻き込んで、めだかは学園を良い方向に変えようと奮闘します。そのなかで暴かれていく実験、陰謀、裏の箱庭学園。派手なバトル展開に気を取られがちですが、さまざまな試練を通じてめだかやその周囲の人間がどんどんと成長していく人間ドラマが見どころと言えます。また、西尾維新ならではの言葉遊びもそこかしこに散りばめられ、色々な面で読み手を飽きさせません。
次々と現れる敵対組織や意外な裏切り、友情、そして最後に訪れる予想外過ぎる結末。伏線を繋ぎあわせるだけでも楽しめるのではないでしょうか。一回目はもちろん、二回、三回と読み深めるほどに新たな発見が表れる作品です。