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アイアムアヒーロー

花沢健吾のアイアムアヒーローのレビュー

アイアムアヒーロー 第58回小学館漫画賞一般向け部門受賞 【電子コミック】

著者 ページ数 クチコミ評判
花沢健吾 ページ ★★★★★☆

<アイアムアヒーロー あらすじ/作品紹介 第58回小学館漫画賞一般向け部門受賞>

『アイアムアヒーロー』は、花沢健吾の作品で『ビッグコミックスピリッツ』にて、2009年より連載開始。2016年には実写映画化が予定されている第58回小学館漫画賞一般向け部門受賞作品。

「アイアムアヒーロー」は、いわゆるゾンビ物の漫画です。町中にゾンビがあふれ、主人公達は犠牲者を出しながらも、必死に闘います。しかしただの恐いだけのゾンビ漫画ではありません。ゾンビになった人々は普通の一般庶民です。主人公は彼女がゾンビになってしまったとき倒すのをためらいます。

ゾンビになった彼女も主人公を襲おうとしながらも、主人公を愛する心が残っており葛藤が生まれます。主人公の相棒の女子高生の早狩も、自分をいじめていた同級生達(ゾンビになってしまった)を憐れに思い、すぐに倒すことができません。ヒロイン、ヤブさんもゾンビ達に憐れみを持ちながらも葛藤し、悩みながら進んでいきます。

今人気の「進撃の巨人」の絵に描いたような勇敢な登場人物ではなく、悩める等身大の一般人がヒーローへ成長していく姿がリアルに描かれます。またゾンビの凶暴性と人間の凶暴性を考察する描写もあります。ゾンビは危害を加えて来ますが、その行動は何らかの病原体が原因であり、自らの意志に反しています。一方で人間はというと、ゾンビを退治するためにコミュニティを作りますが、陰湿で暴力的なヒエラルキー型の組織を作り、仲間内で裏切りや抗争をしてしまいます。ゾンビよりも人間の本質性の方が醜悪であるという普遍的なメッセージと、醜悪に抗い希望を見出していくという希望が語られています。

<アイアムアヒーロー みんなの感想/評価>

◆斬新で古典的な作品
「アイアムアヒーロー」は有名なホラーを土台にして、作者独自のアイデアを盛り込んでいるため、非常に面白いです。上手にオリジナル作品に仕上げている。主人公はこのストーリーの中で時折かっこ良く見えます。さえない男ではありますが、そのように感じることが多いです。またもし自分がこの世界に置かれたらとどうするのかという怖さを常に感じることができます。

◆没入度抜群!
「アイアムアヒーロー」は次の展開が全く読めないため、今後どうなっていくのかがとても気になります。それが面白いのです。また最初は、漫画家を夢見ながら現実を叩きつけられてしまう主人公は非常に冴えない男の話であると思っていました。しかし、いきなりの展開に本当に驚きますし、一気にその世界観にのめり込んでいき、はまってしまう漫画です。



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