容赦のない描写が襲い掛かる2014年アニメ化作品
アカメが斬る!は、「つよきす」や「真剣で私に恋しなさい!」などをヒットさせたタカヒロ原作/ 田代哲也作画のダークファンタジーコミックです。『月刊ガンガンJOKER』にて2010年4月号より連載されているヒット作品。2014年7月からはテレビアニメも放送されています。
物語は、主人公の少年タツミが生まれ育った貧しい村を救うために、兵士として出世しようと都に出てくるところから始まります。ここまでは王道の少年漫画のようなストーリーですが、都では貧富の差が激しく一部の人間だけが富をむさぼって民衆を虐げている状況です。
一緒に村を出てきた仲間を善人の仮面を被った少女に拷問にあったうえに失い、悪に蝕まれた世界を見てしまったタツミは、革命軍の殺し屋集団であるナイトレイドに入ることになります。民衆のためとはいえ、正義とは言えない、やっていることは殺しだ、と思い悩みながらもタツミは剣士として成長して行きます。
ナイトレイドの仲間として、作品のタイトルにもなっている黒髪の美少女アカメや、タツミが兄貴と呼んで慕うことになるブラートなど、魅力的なキャラクターがたくさん登場するのも見どころです。戦闘シーンでは剣や斧を使用したダイナミックな戦いはもちろんのこと、銃撃戦や超能力のような能力を駆使した心理戦のようなトリッキーな戦いが繰り広げられるところがポイントです。
そして、特筆すべきなのは、読者が感情移入した仲間も、命がけの稼業であるためにしばしば命を落とすことです。読み手としても喪失感を味わうかもしれません。同時にライバル関係にある敵方のイェーガーズも、また一人また一人とのそのメンバーを失っていきます。敵方にも感情移入してしまう人も多いことでしょう。
また作品を通じてですが容赦のない描写は読み手を選ぶかもしれません。しかし、このことにより殺し屋の過酷さやタツミの心境が描写されている点も魅力です。