仙台が舞台のミステリー小説
独特の世界観と、現代・過去が相互に織りなす物語が特徴的な新感覚ミステリー作品、伊坂幸太郎著、第25回吉川英治文学新人賞受賞作となっており2007年同名映画化されています。
このアヒルと鴨のコインロッカーという作品ですが、最初はこのタイトルの意味がわからない、理解できないという人が殆どでしょう。しかし、最後まで読み進めることによって意味が明らかになります。それがこの作品の一つの楽しみであると言えるでしょう。
新入生として大学に入学をするとある青年が仙台にやってきたところから物語は始まります。
不思議な隣人との出会いが主人公の学生生活に影響を与え始めるのですが、物語が現代と過去と交互に飛び、少しずつ物語の真相が明らかになってきます。
主人公が大学生、舞台に大学が出てくることがしばしばあるのですが、その描写もリアルで関心をさせられます。現在大学生や大学生に近い年齢の社会人ならば、思わずクスリと微笑んでしまう場面や、感情輸入しやすい場面などに度々出くわすことでしょう。
また日本人と外国人の違いや文化が一つのテーマとなっているのですが、読み手の興味を引くような内容、わかりやすい例えや表現などで読者を強烈に引き込みます。
さらに、とある音楽も物語で重要な役割を果たしており、読み終えた後その音楽を聴きたくなります。そんな数多くの見どころがあるのがこの作品の一番の特徴です。