産経新聞に連載された小説と漫画のコラボレーション
『オズマ隊長』は、手塚治虫の作品で1961年8月~1964年10月にかけて産経新聞にて連載された作品です。本作は非常にかわった形式を用いていて小説に漫画のような挿絵があるSF物語です。SF小説には興味あるけど、活字ばっかりの作品はちょっと苦手という方に、特におすすめの作品ではないでしょうか。
沢山の挿絵があるといってもあちこちに工夫がこらしてあり、十分にSFの世界を堪能することができます。この作品の舞台となるのは近未来の日本生物の体を発達させる薬を日本の青山博士が発明しました。これを赤ん坊たちに注射をしたのです。すると赤ん坊たちは体はそのままですが、知能と体力が大人たちよりも飛躍的に成長し、やがて子供たちは世界のあちこちに支部を持つ「世界こども連盟」を結成します。
当初は何かの陰謀ではないかと疑う大人たちでしたが、やがて子どもたちは自ら行動をしていることを大人たちは知ります。大人たちから世界の平和を守るために…大人たちが悪いことをしないように子供たちが見張るようになるのです。
この薬を発明した青山博士の一人息子・オズマも、この「世界こども連盟」の日本本部に所属する、隊員です。同僚の女の子・アッペ警部をパートナーにして、さまざまな難事件を解決していくのです。姿を消した両親の謎、宇宙人、ヒューマノイド、噴火する富士山など、SF要素たっぷりのエピソードが散りばめられています。