キャプテン・ケンの正体は誰なのか?
『キャプテンKen』は、手塚治虫が手掛けた漫画作品です。1960年から翌1961年まで、「週刊少年サンデー」に連載されました。
作中の21世紀初頭、人類は火星への植民を達成し、先住民である火星人を奴隷としていました。それから約200年後の23世紀、アメリカ西部開拓時代を思わせる火星社会で物語の幕が開きます。
主人公である「星野マモル」は、ヒロイン「水上ケン」ともう一人の主人公「キャプテン・ケン」と巡り合い、彼らとの関わり合いの中で、それまで抱いていた火星人に対する差別感情を揺らがされていきます。その一方、キャプテンは水上ケンと瓜二つの顔を持ち、地球人と火星人との衝突を回避すべく奔走を重ねます。果たしてキャプテンの正体は水上ケンなのか、違うとしたら一体何者なのか、そして窮地に身を投じる動機とは何なのか。正統派主人公マモルと、大きな謎を孕むキャラであるキャプテン、二人の主人公の活躍が本作の見所といえます。
「キャプテン・ケンの正体は誰なのか?」という懸賞まで実施されるなど、本作は人気を呼びました。近年には従来の単行本・文庫への収録版とは大きく異なる雑誌掲載時のオリジナル版の発売も行われ、未だに手塚ファンの注目を浴びる機会に恵まれた作品です。