隠れた名作!藤子不二雄(A)のアクションヒーロー漫画
本作シルバークロスは、藤子不二雄(A)がときわ荘に住んでいた頃に生み出して発表された作品で月刊誌「少年」にて1960年から1963年にかけて連載された長編アクション漫画です。今日では藤子不二雄(A)の作品としてはマニアックな部類に入る作品かもしれません。
内容はというと、世界の平和を守るために組織された十字警察のシルバー・クロスやブラック・クロスら7人のメンバーが、世界征服を企んでいる、独裁者カリギュラ総統が率いるスケルトン帝国と熾烈な戦いを繰り広げます。
シルバーやブラックはマスク、コスチュームを着用しており、この状態で戦います。こうしたスタイルは、今までにたくさん登場してきたヒーロー物や戦隊ものの先駆けとも言えるようなもので、興味深いです。作者は昔から、ガンマンが登場する西部劇が大好きで、自身もこうした作品を描いていたことがありますが、本作品は、銃による対決はもちろん、飛行機や戦車も登場します。
普通の西部劇の場合、どこかで観たような感覚にとらわれてしまうこともありますが、こういったストーリー設定、キャラクター、マシンの登場により、上手くこの時代にマッチしたかっこいいエンターテインメントができあがっています。敵は、ムチを扱うキングコブラや4つの手を持つタランチュラ、機関銃で攻撃を仕掛けてくるコリー、全身をヨロイのような防具でかためたアイアンマンなど、個性豊かなキャラクターたちです。”