石ノ森章太郎のなかなか読むことができない貴重な作品
ストレンジャーは、石ノ森章太郎氏が描いたSF漫画で、1976年9月から1977年まで『プレイコミック』にて連載された作品です。
この時期に石ノ森章太郎氏が手がけていた主な作品には、秘密戦隊ゴレンジャー、サイボーグ009、ジャッカー電撃隊、仮面ライダーシリーズなどがあります。同時期のそれら有名作品からすると、本作ストレンジャーはややマイナーで、知る人ぞ知る作品だったと言えるでしょう。
主人公の大和亜里(やまと あり)は、鳥取砂丘で巨大なアリジゴクに引きずり込まれます。ジャリという老人と、リリスという少女によってたすけられ、目を覚ました亜里は、そこが元いた日本ではなく、見知らぬ異世界であることに気づきます。亜里とジャリ、リリスは巨大なアリの姿をした昆虫人間に襲われ、遺跡のような建造物に連行されます。
そこで時空間転移装置を発見し、亜里とリリスは異次元を旅しながら元いた世界へ戻る方法を探ります。緻密に描かれた砂丘巨大な昆虫人間など、時代を感じさせない圧倒的な筆力が画面からひしひし伝わってきて、非常に読みごたえのある作品として仕上がっています。
紙版は現在では全集版としてまとめられたもの以外では、絶版でほとんど入手できない状況にあるため、ぜひ、電子書籍版を読んでみてもらいたいと思います。