ライトノベル界に多大な影響与えた傑作
一時期大ブームにもなった、ライトノベルというジャンルが広く一般に定着するのに大きく貢献したと言っても過言ではない作品です。
このゼロの使い魔とい物語は、中世ヨーロッパをモチーフにした世界観で、ある魔法学校が物語の舞台となっています。現代の日本に住む少年が突如、魔法学園で一番成績の悪い少女に召喚され、その少女に仕える、というところから物語が始まります。
現代風のひょうひょうとした少年と、気が強い美少女が繰り広げる、王道のファンタジーラブコメディで、明瞭なストーリーと軽快なテンポで、読書に馴染みのない人でもサクサク読むことができる作品と言えるでしょう。明快で読みやすいながらも、幾重にも張り巡らされた伏線や、主要人物の考えや心情を推測しながら読み進める楽しさも存分に味わうことができ、読む人の年齢・性別を問いません。主人公が高校生程度の年齢であるため、中・高・大学生ならば感情輸入をして、それ以上の年齢の人ならば、学生時代を回顧しながら、物語にのめり込んでしまうでしょう。
この話の見所は大きく分けて三つあります。
一つ目は魅力的な登場人物たちです。女キャラクターに関していえば、主人公を召喚した張本人にしてツンデレな美少女ルイズ、無口でクールでミステリアスなタバサ、天然癒し系のティファニア等がいますし、男性キャラクターでは、外見はカッコいいが中身は少し残念なギーシュ、禿頭だが優秀な頭脳と高い戦闘力をもつコルベールなどがいます。彼らが主人公とどう関わっていきどう成長していくかは本作の重要な見所です。
二つ目は主人公の強さです。主人公は普通の高校生でしたが、召喚される際に付与された特殊能力によりある条件下では類まれなる戦闘力を発揮します。この能力を使って味方の窮地を救い、圧倒的な敵の大群と互角に戦う様は非常に爽快感にあふれています。
三つ目はやはりストーリーです。この話は始めこそ主人公の召喚された学園から始まりますが、巻が進むにつれ世界規模の事件に主人公たちは巻き込まれていきます。それによって変わっていくキャラクターたちの関係や主人公たちが窮地に陥りそれをどう乗り越えていくのかなど、目が離せない展開ばかりです。
このゼロの使い魔という作品はシリーズになっているため、一冊一冊噛みしめながら、長い期間じっくりと楽しむことができます。一度読めば、なぜこの作品がブームとなったか理由もよくわかることでしょう。同作品はマンガ化・アニメ化・ゲーム化されています。