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ソポクレスのソポクレス全作品集(電子書籍)のレビュー「小池一夫」推薦

ソポクレス全作品集
 小池一夫先生 推薦!
紀元前に書かれた「物語」の原型。人間が2500年間抱え続けてきた苦悩がここにある。

ソポクレス全作品集【小池一夫先生 書評】

著者 ページ数 クチコミ評判
ソポクレス (著), 内山敬二郎 (翻訳) 349ページ  

小池一夫先生 書評

 2500年前に書かれたギリシャ悲劇を、現代の電子書籍で読むとき、「技術の発達ほど、人間の精神は発達しない」ということを実感する。
最新の機械で読む紀元前に描かれた悲劇は、同じ貌をして、毎日のようにニュースで流れている。親殺し、近親相姦、自分探し、子捨てと言う風に。

 そして、この「オイディプス王」は、「物語」の原型である。
見事な「起承転結」の型があり、自分で自分を追い込んでいくミステリーでもある。
「父を殺し、母と交わる」という予言から逃れるために、あがけばあがくほど自分を追い込んでしまう。

 この物語を読むことで、人は多くを学び、そして、何も学ぶことが出来なかったともいえる。
なぜなら、私たちは、オイディプス王と同じ苦悩を2500年間抱え続けているのだから。

小池一夫
作家・漫画原作者
 中央大学法学部卒業後、時代小説家・山手樹一郎氏に師事。70年『子連れ狼』(画/小島剛夕)の執筆以来、漫画原作、小説、映画・TV・舞台等の脚本など幅広い創作活動を行う。  代表作に『首斬り朝』『修羅雪姫』『御用牙』『春が来た』『弐十手物語』『クライング・フリーマン』など多数。多くの作品が映像化され、その脚本や主題歌の作詞なども手がけている。  また、1977年より漫画作家育成のため「小池一夫劇画村塾」を開塾。独自の創作理論「キャラクター原論」を教え、多くの漫画家、小説家、ゲームクリエイターを育てる。  主な門下生としては、『うる星やつら』の高橋留美子、『北斗の拳』の原哲夫、『バキ』の板垣恵介、『サードガール』の西村しのぶ、『軍鶏』のたなか亜希夫など多数。  ゲームでは『ドラゴンクエスト』の堀井雄二、『桃太郎電鉄』のさくまあきらなど。

 2000年以降は学校教育でのクリエイター育成に力を入れ、大阪芸術大学、神奈川工科大学の教授を歴任。現在は大阪エンタテインメントデザイン専門学校でクリエイターの育成を行う。  また、『子連れ狼』は最も早くに海外でヒットした日本漫画の一つであり、2005年、漫画界のアカデミー賞といわれる「ウィル・アイズナー賞」の「漫画家の殿堂入り」(The Will EisnerAward Hall of Fame)を受賞。  現在も漫画原作を書きながら、コミックコンベンションや講演会などで、日本国内や海外を飛び回っている。
 
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