TVアニメ化もされた人気バスケ漫画
1979年から1982年まで「週刊少年サンデー」で連載が始まり、アニメ化もされた人気少年バスケットボール漫画。青林高校に入学した野生児・坂本勝平がルールも全く知らないバスケットボール部に入ったのは、美人コーチ・夏先生の白いパンツを見たのがきっかけだったりするなど、コミカルな要素は強いが、バスケットボールの描写はしっかり描かれ、手に汗握る展開を楽しむことができる。勝平が繰り出す「千手観音シュート」「宇宙空間シュート」「ウルトラマンシュート」等、数々の予測不可能な必殺技も見どころ。
「SLAM DUNK」「黒子のバスケ」等、今でこそバスケットボールを描いた作品は数多くあるが、「ダッシュ勝平」の連載が始まった1979年当時のスポーツものの少年漫画は野球を扱った作品がほとんどで、バスケットボールを描いた漫画は全くといって良いほど無かった。ほぼ同じ時期に連載開始された「キャプテン翼」を読んでサッカーを始めた少年がいたように、「ダッシュ勝平」を読んでバスケットボールに目覚め、始めた少年も数多くいたのである。80年代に多感な時期を過ごした読者に多大な影響を及ぼしたバスケットボール漫画の名作は、2014年の現在改めて読み返してみても、熱い感動を呼び起こしてくれる。後に「F」等、数々の名作を生み出し、人気を博す六田登の初期の作品としても興味深い。