ベストセラー「社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった」の続編
本作品は2002年に発売され、18万部の大ヒットとなった著書「社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった」の続編である。
近年日本のおもてなし文化は海外でも注目されている。顧客に最高のサービスを提供するためのホスピタリティは、有名ホテルのマネジメントやテーマパークのノウハウを通してさまざまな本で語られている。
はじめにいっておくと、この作品の舞台がディズニーランドであることの意味はほぼない。なぜなら最強上司「町丸さん」と、著者かつ主人公の高校生アルバイト「香取くん」との実際の個人的な関係性と人間としての成長が中心に語られているからである。
現代社会で働く社会人は仕事における成功を掴みとるため、自己啓発本やノウハウ本を手にしたことが一度はあるだろう。しかしノウハウ本は概念的なものが多く、実生活に活かせている人はそんなに多くはないのではないだろうか。
本作品は著者がどのように教えられたのか、その結果どうしてその結論に至ったのかという過程が記されている稀有な作品である。概念だけではない本物のリーダップとは何か、ということを求めているあなたにお薦めしたい一冊である。
「ディズニーランド最強上司の教え みんなの感想」
◆本当の意味での嫌われる勇気
現代社会は人と人とのつながりが希薄になってきているといわれています。私自身もご近所さんは誰が住んでいるか知らなかったり、仕事上でもゆとり世代とバブル世代の価値観のズレを感じること、また相手を思うあまりに言いたいことも我慢して言えなかったりします。この作品の「町丸さん」のキャラクターは衝撃的でした。はじめは自分の考えを押し付けてくるめんどくさい上司なのかと思っていましたが、読み進めていくうちに「町丸さん」の本当の勇気と思いに心が打たれました。嫌われる勇気を持つことと実際に嫌われることは全く違うんだな、と実感することができました。
◆人を変えていく力
松岡修造氏の日めくりカレンダーの本が昨年爆発的にブームになりましたが、「町丸さん」にも似たようなものを感じました。その場の気温が本当に1℃、もしくはそれ以上に上がっているんじゃないかと感じるくらい、とにかく熱い! 主人公が「町丸さん」に影響されて人間として成長していく姿はとにかくリアルで臨場感があり、まるで自分までその場で諭されているようでした。人を変えるものはテクニックではなく、人間としての情熱や魅力なのかもしれないですね。