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トリニティ・ブラッド

吉田直(著)/THORES柴本(イラスト)のトリニティ・ブラッド(電子書籍)

トリニティ・ブラッド【電子書籍】

著者 ページ数 クチコミ評判
吉田直(著),THORES柴本(イラスト) 267ページ ★★★☆

近未来SFゴシックファンタジー

「トリニティ・ブラッド」は吉田直(イラストTHORES柴本)の作品で、文明が滅んでしまった遠未来を描いたライトノベルです。異種知性体・吸血鬼と人類の激しい闘争を描いた本作品は、高性能な機械やシステム・戦闘マシーンや飛行船などを駆使しており、環境や小道具は非常に未来的でSFのようです。しかし、教会を主体とした汎人類機関ヴァチカンが貴族的な吸血鬼と戦うというストーリーや、それぞれが所属する組織や社会の有様は、表紙や挿絵のイメージも手伝って中世ヨーロッパのようなゴシックファンタジー色を強く感じます。

このふたつのイメージが無理なく溶け込んでいる独特な世界観が、この作品の一番の見どころと言えるでしょう。主人公アベルはとらえどころのない3枚目で謎を多く抱えています。ヒロイン・エステルは裏表のない一所懸命で可憐な少女で好感度が高く、彼の同僚たちも非常に個性的で、しかもそれぞれが上手くかき分けられているため、非常に読みやすい作品として仕上がっています。

この作品は一連のシリーズ作品で、アベルとエステルが主人公の「Reborn on the Mars」、彼らを取り巻く登場人物が活躍する「Rage Against the Moons」の2筋の流れがあります。それぞれに独立していますが、同時代・同舞台の物語なので、両方を読むとより楽しめる構成となっています。

なおトリニティ・ブラッドはマンガ化、WOWOWにてTVアニメ化されていますが、WOWOWアニメの最高視聴率を記録した記録的な作品でもあります。



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