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スティーヴン・D・レヴィット/ティーヴン・J・ダブナー『ヤバい経済学』レビュー

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 和田秀樹先生 推薦!
統計を軽視する日本人の思考回路を叩き直してくれる名著!

ヤバい経済学〔増補改訂版〕―悪ガキ教授が世の裏側を探検する【電子書籍】

著者 ページ数 クチコミ評判
スティーヴン・D・レヴィット、ティーヴン・J・ダブナー 500ページ ★★★★☆

和田秀樹先生 書評

日本という国は、統計より事件で法律や政策が変わる珍しい国である。
 
アメリカであれ、フィンランドであれ、高校生が学校内で銃の乱射事件を起こしても教育政策を変えることはない。
彼らが政策の成否を決めるのは、あくまでも学力テストの点が上がったか、子供たちの犯罪率が下がったかである。
大事件が起こると統計数字と関係なしに、法改正がなされたり、審議会(ここでも統計が無視される)が開かれたりする日本とは大違いだ。
 
そんなアメリカでも統計が誤読されたことがあった。
破れ窓理論で犯罪が減ったという嘘がそれだ。
 
今起こっている社会や経済の現実を統計を介してどう読み解けばいいかを若手の経済学者が解説する本書は、話のタネになる以上に、日本人の思考回路を叩き直してくれる名著だ。
 

和田秀樹
精神科医
 東京大学医学部付属病院精神神経科、老人科、神経内科にて研修、国立水戸病院神経内科および救命救急センターレジデント、東京大学医学部付属病院精神神経科助手、アメリカ、カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院である浴風会病院の精神科を経て、現在、国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック(アンチエイジングとエグゼクティブカウンセリングに特化したクリニック)院長。1987年の『受験は要領』がベストセラーになって以来、大学受験の世界のオーソリティとしても知られ、代表を務める緑鐡受験指導ゼミナールは毎年無名校から東大合格者を出し、話題となっている。そのほか、6年一貫の医学部進学塾、和田塾MEDS塾長も務める。
  2007年12月劇映画初監督作品『受験のシンデレラ』でモナコ国際映画祭最優秀作品賞受賞、2013年12月には第二回監督作品『「わたし」の人生』(介護離職をあつかった人間ドラマ、秋吉久美子、橋爪功がモナコ国際映画祭で主演女優賞、主演男優賞を受賞し、自らも人道的作品監督賞受賞。
  主な著書に『「あれこれ考えて動けない」をやめる9つの習慣』(大和書房)『テレビの大罪』(新潮新書)『感情的にならない本』『自分は自分、人は人』(新講社ワイド新書)、『受験は要領』(PHP文庫)『心と向き合う 臨床心理学』(朝日新書)、『「がまん」するから老化する』『大人のための勉強法』『老人性うつ』(PHP新書)『痛快!心理学 入門編、実践編』(集英社文庫)、『自己愛の構造』(講談社選書メチエ)『医学部の大罪』(ディスカバー21携書)『経営者の大罪』『人は感情から老化する』(祥伝社新書)など多数。翻訳書に『「あいだ」の空間――精神分析の第三主体』(トマス・オグデン著、新評論)『トラウマの精神分析』(ロバート・ストロロウ著、岩崎学術出版社)などがある。
 


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