夏目漱石といえば、言わずとしれた大文豪です。一番の文豪に挙げる人だって少なくないでしょう。ただ、実際に漱石の小説をちゃんと読んだことがあるという人はどれぐらいいるでしょうか?昔から教科書にのっている『こころ』ぐらいで、その他を読んだことがなかったという人も多いかと思います。
ここではそんな人に向けて、漱石の作品の一つ『三四郎』を紹介します。私は「美しい表紙で読みたい 三四郎」で読みました。
三四郎は夏目漱石の前記三部作の一つです。前記三部作は『三四郎』のあとに『それから』『門』とつながっていきますが、これらは連作ではあるものの、内容が直接的につながっているというわけではありません。主人公の年代がだんだん上がっていくというだけなので、一つ一つで読んでも問題なく楽しむことが出来ます。
三四郎は田舎から出てきた学生が、都会でどのように成長していくのか、ということを描いた作品です。東京という「自分の生きてきた世界とは全く違う」世界の中での成長というのは、現代にも通ずるものがあるのではないでしょうか?
人は人との出会いを通じて変わっていくものだ、ということがありありと分かる作品になっています。これが新聞に連載されていたというのですから、時代の違いを感じるものです。
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