魂の継承
人間は何故生まれてきたのか、何をなして死んでいくのか、そういった疑問というのは誰しものなかに内在的に存在しているのではないでしょうか。この本は、その答えの一端を考えるのに適した一冊です。
タイトルの通り、この本に於いて述べているのは、「継承する」ことの重要性です。人間が生きる理由の一つとして、自らのなしたことを次代に継承させていくこと、そして先代から継承した魂を脈々とつなげていくことの重要性というものが記されています。
自分が生きた証は、自分が死んだ後にも残っていくものでなければ意味がありません。第一章第一節が「命をつなぐバトンリレー」という設題を取っていることからも、この著者の考え方において継承がいかに重要なものと捉えられているのかが分かるかと思います。
ただ、この「魂の継承」を行なうのはなにも実子でなければならない、というわけではないともしています。継承によって重要なのは、血縁ではなく魂の継承であるとしており、これは事業の継承などにおいても同じことである、としています。
全体を通して、非常にスケールの大きい一冊です。この本の全てを自分のものとして継承するのではなく、取捨選択をしながら読んでいくのが重要でしょう。