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人造人間キカイダー

石ノ森章太郎の人造人間キカイダー(電子コミック)レビュー

人造人間キカイダー 【電子コミック】

著者 ページ数 クチコミ評判
石ノ森章太郎 258ページ ★★★

ピノキオに例えられる心とは

「人造人間キカイダー」は、石ノ森章太郎が主体となって制作した漫画作品です。1972年から1974年にかけて『週刊少年サンデー』に連載されました。本作はマンガ版が原作と言われることもありますが、仮面ライダーなどと同様に映像作品ありきの漫画作品と考えたほうが正確なようです。

本作のあらすじはというと、ロボット工学の権威である光明寺博士は人造人間の研究に没頭しており、その結果完成した人造人間の一体が、主人公「キカイダー」でした。

光明寺の研究は悪の組織「ダーク」、さらにその首魁「プロフェッサー・ギル」に狙われており、それを危惧した光明寺はキカイダーに良心回路(ジェミニィ)を埋め込み、ダークの襲撃から脱出させます。しかし良心回路は不完全なままとなっており、キカイダーは人間体「ジロー」の姿で苦悩しつつ放浪することを余儀なくされます。まるでピノキオのように人のような心を持つことを望むジロー。そんな中でもダークはキカイダー抹殺のために刺客を送り込み、キカイダーの戦いは果てしなく続いていくのです。

宿命のライバルであるハカイダー、兄・キカイダー01、弟・キカイダー00、敵から寝返ったロボット・ビジンダーといった様々な者達と巡り合い、戦いを勝ち抜き成長していくキカイダー。その果てに待ち受けるエンディングは、ジローが抱いた願いと繰り広げた戦いにどのような意味があったのかと、深く考えさせられるものとなっています。
実に40年以上ファンの心をとらえ、2010年代に至っても新作映画公開・新作小説出版がなされるなど人気を博する「キカイダー」、今こそお勧めです。



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