TVとは一味違う!ライダーは戦闘中に没す
仮面ライダーといえば、特撮ヒーローの代表といっても過言ではありません。その仮面ライダーにはメディアミックスの一環というべきなのか、原作にあたる形で漫画版が存在します。著者は石ノ森章太郎です。特撮ドラマのTV放映に先行して『週刊ぼくらマガジン』後に『週刊少年マガジン』にて1971年~1972年にかけて連載されていました。
漫画版仮面ライダーの一番の魅力は本当のライダーの物語が描かれていることです。この作品は単なるヒーローの活躍劇ではありません。本郷猛という一人の男が命をかけて必死に悪と戦う物語です。また、ヒーローの仮面の下にはの猛の苦悩が感じられます。この仮面ライダーという作品は度々特撮ドラマ化や映画化されてきました。そして子供たちに悪を倒す爽快感や夢や希望を与えてくれます。しかし、原作にあたる本作は一味違います、特撮ドラマと違う点の最たるものとして、主人公たる仮面ライダー一号の本郷猛は戦闘中に死亡するといった点ではないでしょうか、これはかなりの衝撃を受けます。その後二号の一文字隼人がショッカー打倒を受け継ぎます。そしてショッカーと同じような志向を持つ集団が存在し実は・・・。などと見どころがかなりあります。
意外なところではショッカーが工場を経営運営していたり、怪人を作るには金がかかるなど資本主義社会にしっかり取り込まれていたのは、ある意味リアルで考えさせられるものがあります。
1970年代のヒーロー物の作品なので、仮面ライダーにさしたる興味がない方は、少し古い作品でもあるので中々手を出しづらいかもしれませんが、少なくとも作品自体は面白く続編があれば読みたいと思わせるものでした。
仮面ライダーのあらすじ
物語の主人公は本郷猛(後に一文字隼人)。猛は城北大学生物学研究室で一番優秀な学生であり、驚異の運動能力の持ち主でもあります。しかし、猛の頭脳と身体能力は悪の秘密結社ショッカーの目に留まってしまいます。ショッカーは世界征服をもくろんでおり、優秀な頭脳と肉体を持つ猛を利用しようと考えます。ショッカーは猛をさらい人造人間に改造します。この手術のせいで猛はバッタの能力を持つ驚異の人造人間になってしまいます。しかし、脳の改造手術の直前、猛は恩師である緑川博士に救出されます。ショッカーのアジトを脱出した猛は正義のヒーローとなりショッカーの世界征服を阻止する為に戦い続けるのです。そして新たな仮面ライダーやFBIと共にショッカーを打倒していきます。