日経新聞によると、出版取次業者の大洋社(東京都・千代田区)は8日、取引出版社向きに説明会を開き、自主廃業の方針を明らかにした。
負債総額は2015年6月末時点で約84億7900万円になるという。
同社は1946年3月創業。国内中堅の出版取次として、書籍や雑誌、教科書などの取次販売を手がけており、特にコミックの扱いには力を入れており「コミックの大洋社」として業界から高い評価を得ていた。2005年6月期には年間売上高で約487億円を計上していたが、出版市場の縮小にともなう競争激化やインターネットや電子媒体の普及で得意先の中小書店の取引先を複数失ったのが影響し、15年6月期の売上高は171億円まで落ち込んでいた。
同社の国弘晴睦社長によると、書店に対しては他の取次会社に変更するよう働きかけるとともに、出版社にはこれまで通りに書籍や雑誌などを供給してもらえるよう依頼したという。また、2月末の支払いに関する資金繰りのめどはついているとのこと。