‘米アップルが本格参入を表明した2010年は「電子書籍元年」と呼ばれ、多くの企業が書籍配信事業に参入した。民間調査によると、13年度の電子書籍の市場規模は936億円で、前年より200億円伸びている。
しかし、業界に詳しい関係者は「伸びているのは一部の大手だけ」と指摘し、「大半の会社は利用者数やダウンロード数が伸び悩んでいる」と見る。別の関係者は「売り上げの8割は漫画で、現在100社近くの配信会社がひしめきあっている。これからは集約され、5年後には数社しか残らないのではないか」と話している。’’
※引用 Yahooニュースhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140630-00050101-yom-soci
電子書籍元年といわれてから数年が経った。
AppleのibooksをはじめAmazon kindleや楽天kobo、Google play など主要なプラットフォームが出揃い日本における電子書籍ビジネスが本格化してきた。
今回は以下3つのことについて簡単にまとめてみたいと思う。
① 電子書籍市場の規模について
② 乱立する電子書店について
③ 自費出版の可能性について
① 電子書籍市場の規模について
まず、電子書籍の市場規模についてだが、電子書籍元年と言われた2010年以降、プレーヤーの増加に伴い市場も順調に拡大をしており、2013年は対前年で200億円増の936億円とされています。
2014年度以降の日本の電子書籍市場は今後も成長を続け、2018年度には2013年度の2.9倍の2,790億円と従来予想よりも大幅に増加しています。
また、電子雑誌においても、電子雑誌広告市場の形成による電子雑誌配信の本格化などが想定され、引き続き市場の拡大が見込まれます。2018年度には550億円程度になると予測され、電子書籍とあわせた電子出版市場は3,000億円を超え、3,340億円程度と予測されます。
② 乱立する電子書店について
現在電子書籍配信を行っているプラットフォームはその数は急激に数を増やしており、
100近くにもなるといわれている。
※出典 インプレス 電子書籍ビジネス調査報告書2013
しかし実際に売れている書店はAmazon,apple,koboの主要書店のみで、その他多くの書店は苦戦を強いられているようにみえる。
実際にここ数か月で書店閉鎖のニュースをいくつか見た。
・ヤマダ電機の電子書店が閉鎖 購入書籍は閲覧不能にhttp://www.itmedia.co.jp/news/articles/1405/29/news089.html
・エルパカBOOKS、電子書籍配信サービス終了へ
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1401/06/news067.html
・ソニーの電子書籍ストア「Reader Store」北米から撤退 日本は継続
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1402/07/news079.html
今後他社との差別化を図れない電子書店は上記書店のように相次いでサービス終了に追い込まれると思われる。
③ 自費出版の可能性について
今後の電子書籍業界において注目されるのは自費出版だ。
自費出版という言葉になじみのない方は多いかもしれないが、これまでの既存の出版社や出版流通を介さずに出版できるサービスである。
電子書籍において日本より数年先をいっているといわれているアメリカではこの自費出版が電子書籍市場の一部を担っている。
以下はアメリカの自費出版サイトsmashwords(https://www.smashwords.com/)社のサイト利用著者数と投稿作品数の推移表である。
Smashwords社はユーザーがWordファイルを投稿するとAmazon kindleなどの電子書店に自動的に作品が投稿されるというサービスを提供しているが、投稿作品数が2011年から2012年にかけて急激に伸びており、今後さらに伸びていくと予想されている。
こういったアメリカでの背景もあり、日本でも自費出版の動きが活発化している。
日本国内における自費出版サイト
・Kindleダイレクト出版(アマゾン社)(https://kdp.amazon.co.jp/)
・Bookspace (ゴマブックス株式会社)(http://www.ebksp.jp/)
・E★エブリスタ(株式会社エブリスタ)(http://estar.jp/.pc/)
・P-PRESS(株式会社パレード)
(http://www.p-press.jp/ebooks/index.html?utm_source=adwords&utm_medium=cpc&utm_campaign=adwords_camp&gclid=CMH7vtTfo78CFZEGvAod_4oA-w)
以上、現在の電子書籍市場の動向を簡単にまとめてみた。
Yahooニュースにもあるように、今後は現在数多く存在する電子書籍ストアが淘汰され、本当にユーザーのニーズにこたえることのできる書店が生き残るだろう。
その動向に注目した