意外と知られていないリボンの騎士の続編
女の子達を魅了した華麗な衣装、男装の王女の物語、リボンの騎士のサファイア姫はその後どうなったのでしょう。その続きがこの「双子の騎士」です。サファイア姫とフランツ王子の間に男の子と女の子の双子のが誕生します。本作はもちろん手塚治虫の作品で1958年から1959年まで『なかよし』で連載されました。
王子「デージィ」王女「ビオレッタ」の双子のうちどちらかが王位継承者になるのか、お馴染みの天使「チンク」の矢で決めてもらいます。王位継承者はデージィ王子に決まりましたが、それを阻むダリヤ夫人はデージィ王子をさらって森に棄ててしまいます。見どころは、国じゅうの王子の王位継承を喜ぶの民の手前、王女ビオレッタを王子として皆の前に立たせることになったサファイアは、男装をしなければならなかった辛い経験を、再び娘にさせることになってしまったと嘆き悲しみます。
しかし、サファイアは遂に再び剣を取り、ビオレッタに毎夜剣術の稽古をします。ビオレッタは、二代目リボンの騎士となり、兄デージィを探す旅へと出たのです。一方、森に棄てられたデージィ王子は、女神に人間の姿に変えてもらった鹿のパピに育てられます。お城、魔法使い、女神、妖精、動物、ジプシー、そして魔法で呪いをかけられた王子様、兄弟愛、性格の異なる兄弟等、おとぎ話に不可欠な要素は全て含み、少女だけに限らず、大人もわくわくする勧善懲悪ファンタジーです。