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大奥

よしながふみの大奥(電子コミック)のレビュー

大奥 第56回小学館漫画賞少女向け部門受賞 【電子コミック】

著者 ページ数 クチコミ評判
よしながふみ 191ページ ★★★★☆

<大奥 あらすじ/作品紹介 第56回小学館漫画賞少年少女部門を受賞>

『大奥』は、『よしながふみ』による漫画作品で、2004年より隔月刊誌『MELODY』にて連載されている人気作品です。大奥は、その名が示すとおり、江戸城を舞台にした作品ですが、この作品が画期的なのは、幕府の将軍が女性だということです。もちろん、これは史実ではなく、作者の創作によるものです。この作品の世界では、三代将軍家光の時代に日本全国に奇病が大流行し、ほとんどの男性が死亡してしまうのです。その後もこの奇病の治療薬は見つからないために、せっかく生まれた男児も次々と命を落とし、日本は圧倒的に女性の数が多い社会となります。そこで、将軍職も女性が継承し、女性が世の中を動かしていくのです。一見すると荒唐無稽な話のように思えますが、歴史上の事実との整合性を工夫してあって、違和感なく読み進めることができます。女性優位社会の面白さを味わえることができるのが本作の魅力です。

漫画は、読み手が面白いかどうかの判断が強く有名な賞を受賞したから読んでみよう!という動機で読み始める人は少ないかもしれませんが、それにしてもこの『大奥』は、綺羅星の如く多くの賞を受容しています。第56回小学館漫画賞少女向け部門や第13回手塚治虫文化賞マンガ大賞、第10回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞など質は保証されていると言っていい作品です。なかなか読むきっかけがなかった方も、これを機に読んでみてはいかがでしょうか?なお本作大奥は2010年に実写映画化、2012年にはテレビドラマ化もされています。

<大奥 みんなの感想>

◆斬新すぎる大奥
江戸時代、男性だけに伝染する疫病のため、男女の立場が逆転した、という視点で描かれる物語です。タイトルにもなっている、物語の舞台・大奥も、女性の将軍のために集められた男性達の園です。そこで繰り広げられる愛憎劇と人間模様に、ひょっとすると本当に男女が逆転していたかも、と思ってしまいます。世の中を治めるのは男性、という思い込みを真っ向から覆される、奇妙でおもしろい作品です。

◆話題の大奥を読んでみた
テレビで取り上げられていたので気になって読んでみました。作者は有名な漫画家なんですね。男女逆転ものの大奥。最初はよくこんな設定思いついたな、と云うのが感想ですがストーリーは決して薄っぺらい訳ではなく、しっかりしています。少女漫画だと何でこんなのがイケメンにモテるんだと言いたくなるような展開がありますがこの作品にはありません。



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