才覚溢れる青年の姿を描いた男塾のスピンオフ作品
『天下無双 江田島平八伝』は宮下あきらによる青年漫画で2003年~2010年までオースーパージャンプで連載された作品です。作者の代表作『魁!!男塾』に登場する江田島平八の半生を描いたスピンオフ作品です。
田舎の名家に一人息子として生まれた平八は、暴れん坊として名を馳せますが、病身の母のことを思いやる優しい少年でした。やがて平八は東京に出て、さまざまな人との出会いによって磨かれていきます。わずか11歳で東京帝国大学に合格し外国語にも長けた神童であり、持ち前の腕白さと好奇心を生かして才能を発揮していきます。読者は平八のパワフルさに圧倒され引きつけられることでしょう。『魁!!男塾』を読んだことが無い人にもおすすめできる作品です。
第二次世界大戦中を舞台としており、毛沢東、山本五十六、リヒャルト・ゾルゲなど、実在の人物がフィクションで登場するのもこの作品の見どころです。平八は戦時中は特殊部隊を率いて活躍し、戦後は政治を通して復興に従事します。戦いに明け暮れる戦時中の様子と、平和の中で政治に翻弄される様子が対照的です。
男の世界を描いた作品であり、登場人物は男性が多いですが、『魁!!男塾』に比べると女性の登場人物も多く登場します。平八と幼馴染の幸子との純愛に感動させられます。