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小説 土佐堀川 広岡浅子の生涯【電子書籍】

小説 土佐堀川 広岡浅子の生涯【電子書籍】

著者 ページ数 クチコミ評判
古川智映子 193ページ ★★★★☆

2015年度下半期朝ドラの原作

「広岡浅子」という名前にピンとこなくても、NHKの連続テレビ小説「あさが来た」といえば誰もが一度は耳にしたことはあるだろう。2015年10月の放映開始以降、連続して20%代の高視聴率をキープしている作品である。テレビ離れの風潮をもろともせず、視聴者からの人気は高く反響も大きい。最近ではある登場人物の最期の出演が世の女性たちに「五代ロス」を引き起こしたとニュースにもなった。なぜこんなにも人の心を鷲掴みにしてはなさないのか、そのヒントは「あさが来た」の原案にもなった本書に記されている。
物語は主人公の浅子が京都から大阪の両替商「加島屋」に嫁いだところから始まる。加島屋の現状を瞬時に察し、類稀なる先見の明と情熱をもって自らの才能を開花させていく。長年続いた幕府の終焉、中央集権制への移行、新しい貨幣制度による事業の立て直し。激動の日本経済のなか、浅子は加島屋を守るため自ら行動していく。
現代でもめまぐるしい変化に対応しようと現代人は必至である。そのめまぐるしさから何を見出すべきか。この本は男女問わず成功を目指す人が決して忘れてはならない大切なことを諭す一冊である。

みんなの感想

◆後世まで受け継がれた功績

広岡浅子の一番の功績は、自叙伝を残したことだと思う。この本は著者が、本人の書籍や子孫を丁寧に取材して書かれたとのこと。言葉ひとつひとつが名言と言っていい。名言のもととなっていく著名人との出会い、本当の誠実さ、そしてどんな困難にも立ち向かっていく強さ。実際の話であるため迫力の格が違うし、本人が時代を超えた今でも語りかけているようなリアリティがある。晩年、病を抱えながらも執筆と人材育成に明け暮れた広岡浅子に心から感謝したい。

◆「九転び十起き」を実際に生きるということ

「あさが来た」が話題なので興味本位の軽い気持ちで読みはじめました。しかし予想以上の波乱万丈ぶりにすっかりのめり込んでしまいました。主人公の浅子ものの考え方や行動力、男性に対しても全く物怖じしない度胸にはただただ驚かされました。作品では七転び八起きよりもさらに多い「九転び十起き」を口癖のように語っていましたが、実際の浅子の行動や態度からピンチをチャンスに変えるってこういうことなんだ! と目からウロコが落ちました。



1件のコメント

kmyd
2015年度下半期放映の朝の連続テレビ小説「あさが来た」の原案の歴史小説。 作者の資料の読込みと聞き込みの成果が実を結んだ作品。 古川さんがいなかったら、広岡浅子という実業家は歴史に埋もれていた人になっていただろう。明治という時代を女性実業家からの視点でみると、また違ったものが見えてくる。まさに「九転八起」を人生で体現した人で、先見の明とその行動力には目を見張るものがある。 あくまで小説形式的な形で書かれてるのであって、心情面の描写は少ない。

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