映画も主題歌も原作漫画も傑作と名高い藤子不二雄(A)の作品
『少年時代』は藤子不二雄(A)原作の漫画作品で、1978年から1979年にかけて『週刊少年マガジン』で連載された作品です。本作品は柏原兵三の小説『長い道』を基に描かれています。
主人公は昭和19年から終戦の間の混乱の時代を生きる進一という少年です。彼は富山県に疎開児童としてやってきます。純粋で真面目な性格の少年です。そして進一にはガキ大将のタケシという友達ができます。タケシは感情の起伏が激しく、本当の友達がいませんでした。この二人を中心に物語が進んでいきます。
本作品の見どころは主人公らが置かれている時代は太平洋戦争が起こった時期であるのですが、決して戦争の話が中心となっているわけではなく、子供の視点から見た「学級政治」について描かれている点です。物語は進一から見たタケシの視点で進みます、噂やテストの成績そして恋愛といった事情に翻弄されながら「子供の世界での政治」の中で彼らは戦時中を生きていきます。そのような点が、非常に地味ではありますが、いつの時代でも存在する子供の「小さいな狭い世界」を上手く表しています。最後には進一が「タケシは本当の友達だった」と実感し、疎開で経験したことが思い出として残っていくという形です。本作少年時代は作品としての品質がとても高く１つの文化として誇れる名作です。
