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幸村軍戦記【電子書籍】

幸村軍戦記【電子書籍】

著者 ページ数 クチコミ評判
津野田幸作 98ページ ★★★☆☆

天下人・徳川家康を死の淵まで追い詰めた名将真田信繁の軍戦記

戦国時代末期、豊臣一族の滅亡が目前の「大坂夏の陣」において、徳川本陣に肉薄するも家康打倒は叶わずに倒れ、「日本一の兵」(ひのもといちのつわもの)と呼ばれた猛将、真田幸村。本名・真田源次郎信繁という。
知名度に反して、大きな活躍を見せているのは豊臣の最後となる大坂の陣によるものである。その理由とは、当時の諸将の常識として、同盟を結んだ大名に人質を預けるという習慣があった。幸村はその中でも人生の約半分を人質として過ごすことになったためである。十五歳が成人という時代に、戦場での初陣が二十四歳と遅咲きだったのは、他と比較しても人質の期間が長かったことに起因する。
後に数多くの史料にその功績が記録されるとともに、江戸時代には軍記物の小説や、講談が創作される。真田幸村という名はこの際に付けられた物語上の偽名である。真田十勇士と共に家康を翻弄する稀代の名将として描かれ、多くの人々を魅了する。
史実と共に、様々な逸話や伝承を織り交ぜ、風前の灯である豊臣の命運を握ることとなった、真田幸村の最後の大舞台を描く一冊。

みんなの感想

◆ビギナーに薦めやすい軍記小説

 真田幸村を描く小説として、史実に忠実な歴史ノンフィクションと、物語性を重視した軍記物小説があるが、この作品はどちらかと言えば後者のタイプである。大まかな歴史の流れを追いつつ、登場人物たちの会話を大河ドラマ的な台詞回しにする事で読者にはわかりやすくなっている。また、世界観に入りやすいように、史実のエピソードを年表的に消化するのではなく、印象的に見せるようにフィクション要素も取り入れられ、軍記物として読みやすくなっていて、真田幸村の足跡を追うのにオススメの一冊である。

◆時代劇のような演出の面白さ

 幸村をはじめとして、登場人物たちの性格はゲームやアニメなどをはじめとしたフィクションの設定に近くて、わかりやすいと思いました。一度は敗北し、九度山に幽閉された信幸、幸村親子。豊臣秀頼の勅命によって、密かに大阪城入りを果たし、豊臣家を脅かす徳川打倒のために様々な武将を集め始める…。伝説の軍師、真田信幸の元に幸村のコンタクトを介して、次々に集まってくるストーリーは、まるで、三国志のような群雄活劇を彷彿とさせて、ワクワクさせてくれる小説です。



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