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悪女聖書

牧美也子と池田悦子の悪女聖書(電子コミック)レビュー

悪女聖書 【電子コミック】

著者 ページ数 クチコミ評判
牧美也子(著)、池田悦子(絵) 220ページ ★★★★★

ドラマ化もされた業を背負った主人公の大人向けマンガ。

悪女聖書、この作品は誰が読んでも「気持ちのいい作品」とはなりえない作品です。
といってもこれは悪い作品だと言っているわけではなく、そういう作品だと割りきって読むべき作品だ、ということです。ともかくドロドロとした世界が繰り広げられていますので、スッキリとした作品やハッピーエンドを求めている人はこの本は避けた方がよいでしょう。ただ、昼ドラ的世界観やストーリー展開が好きだというならば、これほどマッチした作品もなかなか無いことでしょう。

この作品の主人公は「業子」という女性です。もはや名前からして業を背負っているわけですが、出生からしてともかく酷いことが続きます。父親は不倫をし、母が首を吊り、その瞬間に生まれたのが「業子」であり、その後も継母や義妹にいじめられながら成長していきます。そりゃ性格も歪むってもんです。結果として、生きるためなら手段を選ばない「悪女」に業子は成長しました。生きていくために多くの人を陥れていきます。この作品を読んでいて、どちらがわの視点に立つのか、というのはある意味自分を写す鏡となるかもしれません。自分の成功のために手段を選ばない業子は、自分自身を含めて全員が幸せにはならない、そんな「悪女」になっているのです。

悪女聖書(2)
主人公業子の生い立ちについては一巻を読むと分かりますが、ともかくこの業子という人を取り巻く環境というのは悪いというレベルではありません。本人も今となっては「悪女」になってしまっているものの、環境によって生み出された「化け物」としか言いようがないでしょう。ただ、二巻は一巻とちょっと性格が違った内容になっていました。一巻では自分の目的のため、自分の生活のために「悪くない人達」に対して悪女っぷりを発揮するのですが、二巻の相手は「悪い人」です。そもそも今回に関しては相手が先に手を出してくる!

業子は若く美人なOLなのですが、その若さに嫉妬した会計の御局様が嫌がらせをしてくるわけです。しかも生半可ではなく、横領の犯人にでっち上げられるというやり方!酷い女!ただ、業子も業子でやられっぱなしになる悪女ではないのです。やられたらやり返す、倍返し!とでもいいたいかのようにこの人を追い詰めていく、「正統派(?)復讐譚」になっています!一巻ではちょっとスッキリしなかったという人も、二巻ならスッキリして読めるかも知れません!

悪女聖書(3)
本巻は、悪女聖書シリーズの第三作目です。主人公業子はもう言うまでもない程の悪女なのですが、この悪女がなんと三巻では「ラブコメ」に挑戦しています。物語冒頭では普通にラブコメが展開されていきます。お相手はイケメンラグビー選手。そのため、話を読んでいて最初の方は「あれ?本間違ったか?」と思うような業子を見ることが出来ます。悪女っぷりゼロ!とはいえ、そのまま普通のラブコメになっていく、そんな漫画ではありません。業子を悪女の道に引き戻すために、一巻で登場したあの男が再登場するのです。まあ俗にいう元カレなわけですが、その結果ラブコメは突然三角関係に発展、血で血を洗うようなものに変わっていくことになります。これまでは自分が踏み台にする側だった業子も、自分自身が渦中に巻き込まれる形で話が展開していくので、業子の新しい側面を見ることができるでしょう。

相変わらず怪しくも美しい牧美也子先生のタッチで描かれる悪女聖書第三作。一筋縄ではいかない悪女の「恋愛」を味わうことができるでしょう。読んでる分には楽しいですが、巻き込まれるのは絶対に御免!そんなドラスティックにスリリングな悪女物語には注目が高まる一方です!

今になって悪女聖書(バイブル)のドラマがとても見たくなっています!



12件のコメント

悪女聖書のレビュー
やっと幸せを掴めそうな雰囲気になって来ました。さて、これからすんなりと落ち着いてしまうんでしょうか??個人的には、まだまだ悪女をやっていってほしいです(笑)
悪女聖書感想
とことん、自分の幸せのためには何でも利用してのし上がってやろうという強さが業子にはあります。悪女ってしたたかでたくましくて、なんだか魅力的ですね。
あああ
とうとう経理から一流企業の受付嬢に!業子、女の勝ち組街道まっしぐらです。次は、結婚相手を見つけて寿退社するだけと言う感じです。そこで出会った槙原と、業子はどうなって行くんでしょうか?
パンドラ
悪女をやってきた業子がとうとう、愛する人を見つける巻。二人ははたして幸せになれるんでしょうかね。続きが気になります。
美絵
やっぱり絵がきれいで見入っちゃいます。好みの絵柄なので買いましたが大正解でした。続けて読んでいこうと思います。
ゆうぅ
ダークヒーローって感じですね。半沢直樹の女版って感じ。しかも、こっちはどこまでもねちっこくてスッキリしない。そこが女の戦いという感じがして好きです。
怖いです
迷いや悩みが吹っ切れてきた様子。なんだか、お局様への仕返しなんかを見ていると、私には出来ない分すっきりしました。業子は全部自分のためにやってるんですが、なんだか救われた気分になります。
おもすろい
どんどん悪女が板についてきた業子。お局様野口への仕返しのやり口も堂に行って来ています。これからどう育って行くのか楽しみですね。
うぬ~
設定は古くて、旧家のお坊ちゃんの遊びでできた子なんて、遠い世界の話って感じでした。でも、思いっきり悪い奴になってやり返したい!って気持ちはわかるなと思います。
悪女とは
まだまだ悪女としては葛藤のある業子の様子に人間らしさがにじんでいてよかったです。人間の心理描写が上手くて、飽きずに読めました。継続して読んでいくつもりです。
池田ッチ
どんなに意地悪な継母にいじめられてもけなげに生きるというのが従来のヒロイン像なんでしょうけど、この作品は全く違います。生きるために悪くなってやろうなんてたくましい精神ですね。面白かったです。
ドロドロ
のっけから人が死んだり、浮気してたりと人間関係がドロドロです。こういうのって嫌と言うよりは逆に好奇心が湧いちゃいますね(笑)生きるために悪女になることを決意した業子の魅力的なことといったらありませんでした。これからの展開が気になります。

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