ドラマ化もされた業を背負った主人公の大人向けマンガ。
悪女聖書、この作品は誰が読んでも「気持ちのいい作品」とはなりえない作品です。
といってもこれは悪い作品だと言っているわけではなく、そういう作品だと割りきって読むべき作品だ、ということです。ともかくドロドロとした世界が繰り広げられていますので、スッキリとした作品やハッピーエンドを求めている人はこの本は避けた方がよいでしょう。ただ、昼ドラ的世界観やストーリー展開が好きだというならば、これほどマッチした作品もなかなか無いことでしょう。
この作品の主人公は「業子」という女性です。もはや名前からして業を背負っているわけですが、出生からしてともかく酷いことが続きます。父親は不倫をし、母が首を吊り、その瞬間に生まれたのが「業子」であり、その後も継母や義妹にいじめられながら成長していきます。そりゃ性格も歪むってもんです。結果として、生きるためなら手段を選ばない「悪女」に業子は成長しました。生きていくために多くの人を陥れていきます。この作品を読んでいて、どちらがわの視点に立つのか、というのはある意味自分を写す鏡となるかもしれません。自分の成功のために手段を選ばない業子は、自分自身を含めて全員が幸せにはならない、そんな「悪女」になっているのです。
悪女聖書(2)
主人公業子の生い立ちについては一巻を読むと分かりますが、ともかくこの業子という人を取り巻く環境というのは悪いというレベルではありません。本人も今となっては「悪女」になってしまっているものの、環境によって生み出された「化け物」としか言いようがないでしょう。ただ、二巻は一巻とちょっと性格が違った内容になっていました。一巻では自分の目的のため、自分の生活のために「悪くない人達」に対して悪女っぷりを発揮するのですが、二巻の相手は「悪い人」です。そもそも今回に関しては相手が先に手を出してくる!
業子は若く美人なOLなのですが、その若さに嫉妬した会計の御局様が嫌がらせをしてくるわけです。しかも生半可ではなく、横領の犯人にでっち上げられるというやり方!酷い女!ただ、業子も業子でやられっぱなしになる悪女ではないのです。やられたらやり返す、倍返し!とでもいいたいかのようにこの人を追い詰めていく、「正統派(?)復讐譚」になっています!一巻ではちょっとスッキリしなかったという人も、二巻ならスッキリして読めるかも知れません!
悪女聖書(3)
本巻は、悪女聖書シリーズの第三作目です。主人公業子はもう言うまでもない程の悪女なのですが、この悪女がなんと三巻では「ラブコメ」に挑戦しています。物語冒頭では普通にラブコメが展開されていきます。お相手はイケメンラグビー選手。そのため、話を読んでいて最初の方は「あれ?本間違ったか?」と思うような業子を見ることが出来ます。悪女っぷりゼロ!とはいえ、そのまま普通のラブコメになっていく、そんな漫画ではありません。業子を悪女の道に引き戻すために、一巻で登場したあの男が再登場するのです。まあ俗にいう元カレなわけですが、その結果ラブコメは突然三角関係に発展、血で血を洗うようなものに変わっていくことになります。これまでは自分が踏み台にする側だった業子も、自分自身が渦中に巻き込まれる形で話が展開していくので、業子の新しい側面を見ることができるでしょう。
相変わらず怪しくも美しい牧美也子先生のタッチで描かれる悪女聖書第三作。一筋縄ではいかない悪女の「恋愛」を味わうことができるでしょう。読んでる分には楽しいですが、巻き込まれるのは絶対に御免!そんなドラスティックにスリリングな悪女物語には注目が高まる一方です!
今になって悪女聖書(バイブル)のドラマがとても見たくなっています!
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