今話題の舛添都知事にモノ申す!
47都道府県の一つ、東京都。面積は下から数えて3番目という小さな場所にも関わらず、人口は1300万人と、日本全体の7分の1を抱える。年間予算は13兆円に上り、スウェーデン、インドネシアの国家予算にも匹敵する金額である。
その東京都の代表となるとが東京都知事だ。主な仕事は、条例についての提案、都政に関する議会への参加、災害時の陣頭指揮、国内外の要人との会談と、政府をはじめとする各行政機関との調整、そして東京都をアピールする活動である。
指揮監督する東京都の職員は、都庁内の職員はもちろんのこと、都内に勤務する警察関係者や消防隊員、教師といった公務員約16万人と膨大な数字だ。また、セキュリティに関しても、他県とは違い政府から直接派遣された現場指揮官が計画するいわば首相と同じレベルでの鉄壁の警護態勢で、他県と比べてもその待遇は段違いである。
その要職、第19代東京都知事となった外添要一氏。2014年より現職だが、2016年現在、数々の不祥事が発覚し、その言動が注目されている。
東京都知事の仕事とその重要性について触れるとともに、政治論客、タレント、そして政府の要職を経て都知事となった外添要一氏の仕事にメスを入れる一冊。
みんなの感想
◆地方自治体の頂点
極端な言い方をすれば、48個の一地方自治体の長にすぎない。にも関わらず、月160万円の給与と600万円のボーナスという知事としてはトップクラスの待遇だ。行使できる権力は、都知事個人の裁量で条例の提案ができるなど、かなり重要なものを持っている。首都東京を収めるプレッシャーと、1300万の都民の目が常に監視していることを思うと、生半可でできるものではない。果たして、現職の外添氏にどれだけの覚悟があるのか。少なくとも、今の氏には隙が多いように感じられる。
◆外添さんの経歴がわかりやすい
公用車の私的乱用で始まった外添さんへのバッシング。テレビタレント時代の外添さんは、結構鋭い意見を政治家にバシバシ突っ込むイメージでしたが、いざ、当事者となると、その口達者が言い訳とごまかしに使われているように感じます。都知事という仕事が簡潔にまとまっていて、読み易かったです。外添さんの経歴もまとめられていましたが、苦学しての出世をされていたようですね。しかし、その反動なのか、公務として大金を使い込んでいるというニュースは非常に残念だなと思いました。