自分を見つめなおす一冊
この本はいわゆる自己啓発本や啓蒙本と呼ばれるような類の本だと考えて頂いて概ね間違いかもしれません。この通りにしていれば絶対に幸せになれる、という方法論を示すものではなく、こう考えることによって幸せになることができる、という内面からの変化を促すものだからです。
外在的なものを変化させるよりも、内在的なものを変化させる方が容易であることから、生き方の選択肢の一つとして考えてみると良いと思います。
さて、この本における主軸となる主張は「全てが欲しいと思うのであれば、全てを捨てろ」ということです。この部分だけを聞いても何を言っているのか検討がつかないという人が多いかもしれません。物質的なもの、あるいは概念的なものを捨てることによって、精神的なものを手に入れる事ができる、というのが全体を通しての主張です。
例えば本書の第一章は「仕事を捨てる!」という章題を取っていますが、文字通り本当に仕事を捨ててしまったのでは生活をすることが出来ません。ただ、精神的にゼロに戻ることができる方法の一つとして、仕事を捨てる、ということを紹介しています。
この本を読んで、全面的に肯定すべきだ、というものではありませんが、咀嚼して考えるのに適した一冊だと思います。