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昭和元禄落語心中

雲田はるこの昭和元禄落語心中のレビュー

昭和元禄落語心中 第38回講談社漫画賞一般部門受賞 【電子書籍】

著者 ページ数 クチコミ評判
雲田はるこ 160ページ ★★★★

舞台は、古き良き昭和の東京下町

<昭和元禄落語心中 あらすじ/作品紹介 第38回講談社漫画賞一般部門受賞>

昭和元禄落語心中は、『雲田はるこ』の手により『ITAN』にて2010年より連載されているマンガ作品。第38回(2014年度)講談社漫画賞一般部門受賞作品また、文化庁メディア芸術祭マンガ部門受賞するなど評価の高い作品で2015年にテレビアニメ化されることが発表されています。

昭和元禄落語心中は、やくざ者の与太郎が刑務所で聞いた名人八雲の落語に感動し、落語の世界に飛び込んでいくお話。与太郎は、名人八雲に惚れ込み弟子入りし、苦難を乗り越え真打を目指します。師匠の同門の娘小夏と、師匠の元で一緒に下積みをおくる奇妙な3人の生活が描かれています。

物語途中からは、師匠八雲の語りで八雲の過去の回想に視点を変え、八雲の愛人であったみよ吉や同門で友の六助との関係に話題が移ります。若き日の八雲が真打になる前に愛人のみよ吉を捨てたり、そのみよ吉は六助とともに暮らすようになったり、六助が破門になり落語をやめたりするなど波乱が描かれています。そして、ついに心中と・・・・・。回想後は、場面を与太郎に戻します。奮起した与太郎が真打三代目六助を襲名、色々なトラブルを乗り越えて落語の世界を歩んでいきます。

<昭和元禄落語心中 みんなの感想/評価>

◆艶もある名作
昭和元禄落語心中は、服役中の与太郎が落語家八雲師匠の落語を聞き、弟子入りを志願するところから話が始まります。厳しくもやさしい師匠と過ごしながら、困難を乗り越え真打になり六助の名を襲名する姿が描かれています。見どころとしては、八雲師匠。艶っぽくて渋いです。また、一見冷たい雰囲気と稀にみせる優しさ、艶っぽい落語、小夏との微妙な関係なども。さらに1巻では想像できない、恋愛と芸と揺れた過去なども良いです。

◆昭和元禄落語心中の登場人物の落語が聞きたい

昭和元禄落語心中の主人公は、破天荒で刑務所出で笑えれば良いじゃんと明るくて客受けのよいタイプです。一方、基本を守りつつ自分の型を作ろうとする同世代の落語家がいます。ライバルでもあり、友人でもあり、隆盛を引き戻そうとする仲間になります。
同じような友が師匠にも居ました。その思い出パートも見どころです。泣けて仕方なかったです。師匠がすごく好きになり、この架空の人の落語が聞きたいと思いました。



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