女流作家の頂点 源氏物語
源氏物語は誰でもその名前くらいは知っている、言わずと知れた紫式部が平安時代に書き上げた壮大なスケールの物語です。1000年以上も昔に書かれたとは思えないほどに、現代の人が読んでもその感性には共感できるものがたくさんあります。
まだ子供であった光の君が義母である桐壷の君に恋をしたのがそもそもの始まりです。光源氏はそれから紫の上という桐壷の君に似た最愛の人を手に入れてからも桐壷の君の影を追うことをやめられず、一生を彼女の幻影を追い続けることに費やします。それが光源氏の恋愛遍歴へとつながっていきます。源氏物語ではそうした多くの女性の悩み、嫉妬、苦しみがとても赤裸々に描かれています。
これによって、平安の時代から人間の本質はまったく変わらないということがよく見てとれます。逆に現代ではすでに目にできないような情景の素晴らしさであったり、和歌のやりとりや四季折々の風情を読むことができ、今では忘れてしまった日本文化の素晴らしさも再確認できます。
今では現代語訳された書籍がいくつも出ており、その人それぞれの特色が出ています。また源氏物語にはとにかく登場人物が山のように出てきます。それぞれの関係も親子、親戚、叔父、叔母など、血縁関係がたくさん出てくるため、人物把握に一番苦労するかもしれません。それさえクリアできれば、古典と肩肘はらずに楽しく読める文学作品に仕上がっています。またこれだけの大作ですので、今までにたくさんの映像化作品を生み出しています。源氏物語の映画作品は少なくとも8作品ほど、テレビドラマは7作品ほど生み出されています。またマンガ化も数多くされており代表的なものは「あさきゆめみし」ではないでしょうか。受験生も進んで読むほどの作品です。
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