無責任な素人艦長が起こすドタバタ劇
無責任艦長タイラーは吉岡平(著)/都築和彦(イラスト)の作品で、ジャンルとしてはSFスペースオペラにあたるのですが、むしろ「SFなどに興味は無い」という人にこそお勧めできる作品です。堅苦しさは一切なく笑いとシャレに満ち溢れた世界観なのですんなりと物語に入っていけます。
一番の魅力は個性的なキャラクターたち。主人公から脇を固めるキャラクターたちまで皆皆一癖も二癖もある人物ばかりです。実力もなくコネもなく軍隊にいるのに兵法もろくに知らない素人艦長のタイラーがその筆頭ですが、軍隊一の才媛でありながら故あってタイラーにほれ込むことになるユリコ・スター、生真面目な常識人でありながらなぜかタイラーの魔力に取りつかれ命運を共にすることになる苦労人の副官マコト・ヤマモト、金髪碧眼の操舵手でありながら純和風趣味のカトリ、女嫌いのいぶし銀パイロットのサカイに双子パイロットのハナー姉妹など実力はありながらどこか軍の常識から外れた人物たちがタイラーの元に集まりやがて大きな成果を上げていくところがこの物語最大の見どころです。
軍の主流派たちをおしのけ吹き溜まり集団のタイラーたちがやがては宇宙連合軍の明暗さえも左右する存在になっていくという痛快さがなんともいえない魅力となっています。同作はテレビ東京系列でTVアニメ化され、その好評を得てOVAなども展開されています。