2005年電撃小説大賞銀賞受賞のライトノベル
「狼と香辛料」は、電撃文庫より出版されているライトノベルで、2005年電撃小説大賞銀賞を受賞した作品です。著者は支倉凍砂で、イメージイラストは文倉十が手がけています。
行商人のロレンスは、馬車の荷台で麦の束に埋れて眠る美しい少女ホロと出会います。そして、狼の耳と尾をもち自らを豊作を司る神だというホロと行商人ロレンス、ふたりの旅が始まります。
この作品の見どころは、ライトノベルにありがちともいえるどこかで読んだことがあるような設定とは全く異なる、独特の世界観です。交易を行い各地を旅して回る商人が主人公だということで、ライトノベルに親しんだ読者であっても既視感を覚えることなく、新鮮な興味をもって読み進めることができるでしょう。
旅の先々で訪れる土地やそこに住まう人々の特徴、習慣や風土などが丁寧に書き表されているため、そういった部分ではファンタジーでありながらも読み手にリアリティを感じさせているともいえます。そして、それらの世界観とリアリティが一風変わったヒロインの魅力を一層際立たせています。読むうちにいつのまにかヒロインに魅了されてしまっていることうけあい。
本作は様々なメディアで展開されており、コミカライズに始まりTVアニメ化、ゲーム化など多くの支持を集める人気作品です。