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男おいどん

松本零士の男おいどん(電子コミック)

男おいどん 講談社出版文化賞 【電子コミック】

著者 ページ数 クチコミ評判
松本零士 343ページ ★★★★★

これぞ男の中の男の生き方

「男おいどん」は巨匠松本零士の代表作の1つで1971年~1973年まで週刊少年マガジンで連載された作品です。本作は第三回講談社出版文化賞児童まんが部門を受賞した作品でもあります。男おいどんは70年代の青春マンガを代表する作品で、主人公である「おいどん」こと大山昇太は4畳半の下宿館に住んでいる夜間高校生で、昼間の勤め先である工場をクビになってからは月謝を払えなくなるため夜間高校を一時中断、そこからこの物語は始まります。

下宿の女主人であるバーサンはおいどんに対しても理解のある明治女性で、ことあるごとにおいどんの味方をしては、下宿代もろくろく催促せずに暖かく見守ってくれる親代わりのような存在です。このバーサンの存在のおかげで、おいどんは下宿を追い出されることもなく、故郷に帰ることもなく、夜間高校へ戻るべく奔走出来るはずなのですが・・・。

おいどんの身の回りにはなぜか常に美しい女性やロマンスと、それらによって引き起こされるトラブルが満ち溢れ、そのせいでさまざまな失敗を繰り返してばかりの日々。そのたびにおいどんは、自分は男として恥ずかしくない事をした、自分は男だ、と悔しい気持ちを歯を食いしばって耐えるのです。

’70年代の作品ということもあって、現代の目で見るとそこかしこにアナクロな表現が目立つかも知れませんが、作品の根底に流れるテーマは、今も昔も変わりません。青春とは何か。若者とは何か。みんなこういう時期があったものだ。若い人のみならず、青年~壮年世代にまで訴えかける普遍的なメッセージを読み取ることが出来るでしょう。



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