TVアニメ化もされた墓守の物語
『神さまのいない日曜日』とは、何とも惹かれる題名です。本作の見どころといえば、物語の舞台となる「世界観」そのものです。
舞台は、「神様に見捨てられた世界」です。その世界では、人は死にません。致命傷となる怪我を負っても、身体が腐っていっても生き続けます。そして、この世界では、基本的には子供は生まれません。死がなくなり、人が生まれない世界、神様に見捨てられた世界。
停滞した世界に、神様は1つの救いとなる存在を与えました。それは「墓守」という存在です。
たったひとつ残された人が死ぬ方法は、「墓守」の手によって埋葬されることでした。その方法でのみ、人は永久の眠りに就くことができます。「墓守」は神が遣わした存在であり、突如世界に出現する存在です。人々にとっては救いであり、同時に死をもたらす災厄でもありました。彼女、彼らに感情はなくただ「人を埋葬する」という使命のみをもって生まれます。
そんな世界を生きる主人公はアイという「墓守」の少女です。彼女は、「墓守」でありながら、「母」から生まれ、感情を持っていました。
アイは父を知らず、そして、他の「墓守」のことを知らず小さな村で村人に愛されながら暮らしていました。そんな彼女の平穏はある青年に訪れによりあっけなく崩れ、自分の出生の秘密を知り世界を知るために旅に出ることになります。物語の中で注目してほしいのはアイが出会う人々との交流です。そして、旅の果てにアイが手にした答えを皆さんにも是非その目で見ていただきたいと思います。
なお本作『神さまのいない日曜日』は、2013年7月に独立系放送局によりTVアニメ化されています。