英雄か悪魔か?始まりの皇帝の物語
歴史ものはいつの時代も人気があるもので、これは小説だけに限らずコミックでも同じです。また日本の歴史だけでなく、古代中国の歴史ものも非常に人気があり、三国志や水滸伝を題材とした本は昔からよく読まれていて、それこそ聖徳太子の時代にもすでに蘇我氏の横暴を三国志序盤にでてくる董卓になぞらえている記述があるほどです。それほど古代中国の作品は日本人にとってなじみ深いものとなっています。
今回紹介したいのが、これまでコミックではあまりモチーフとされたことのない古代中国の有名人「秦始皇帝」です。始皇帝(政)は、中国皇帝の先駆でもあり、歴史的に重要な人物です。このコミックの内容は充実していおり中国統一を成し遂げていく始皇帝の物語は、読んでいて夢中になります。始皇帝が統一事業を行なうことや偉業である官僚が治める中央集権の始まり、万里の長城の建設といった中国を作った人物として、読んでいても関心できる部分が多くあります。趙の大商人の呂不韋が良い味をだしています。最近ではキングダムがまさにこの時代の作品として異例の大ヒットを飛ばしていますが、あくまでも主人公は李新ですので、キングダムファンの方は、違った角度から始皇帝とその時代を楽しむことができます。
秦始皇帝のような生き方は、今でも活かすことができそうなもので、平和な暮らしをするあたり前の生活は秦始皇帝のような人の強い志によって築かれてきたということがよくわかるものです。漫画をあまりよく読んだことがないというような方でも、この「秦始皇帝」を読むことによって、いろいろと考えさせられる良作となっています。
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