軽妙洒脱な人気小説のコミカライズ作品
本作『薬師寺涼子の怪奇事件簿』は、「田中芳樹」の伝奇アクション小説シリーズを「垣野内成美」の作画によりコミカライズした作品です。2004年から2009年まで月刊マガジンZにて連載された後、月刊アフタヌーンに誌面を変え連載されいていた作品です。2008年7月には独立系UHF局を中心にテレビアニメ化もされた人気作品。
東大法学部卒のキャリア官僚で、美貌も兼ね備えた美女薬師寺涼子を主人公にした物語です。薬師寺涼子は、高飛車で協調性のない女王様体質で警視庁内部でもやりたい放題の事をしながら、部下と一緒に怪奇事件を解決していきます。事件の始まりも、面白く自然とストーリーにのめり込んでいきます。
薬師寺涼子の怪奇事件簿の見どころは、高慢なお嬢様刑事が部下でノンキャリアの刑事を執事のように従えて事件を解決していく姿です。この2人の会話の中には、笑いを取りながら巧みに社会批評が織り交ぜられていて、それを読みながら誰の批判をしているのかを考えるのも面白いです。
面白いセリフ回しも独特で、独自の世界を作り出しています。サスペンスでありながら、主人公と部下の関係がまるで恋愛関係になりそうでそうならない距離感も、サスペンスの要素と共に違った味わいがあり1つの物語でいろいろな味わいがあり楽しむ事が出来ます。
主人公のキャラクターも、高慢なお嬢様キャラでありながら、どこかシンデレラのような設定になっていて、新鮮な構成になっています。終盤の展開も面白く主人公が見事に事件を解決してくれ最後まで、飽きる事無く読む事が出来るサスペンスです。
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