マシンマニアを満足させる秀作
『逮捕しちゃうぞ』は、1986年から1992年まで「モーニング・バーデイ増刊」に連載されていた作品で、作者は「ああっ!女神さまっ」で有名な藤島康介です。1994年にはOVA化の後にTBS系列でTVアニメ化もされ、2002年にはテレビ朝日系列で実写ドラマ化もされている国内だけでなく海外にもファンが多い作品です。
主人公である女性警察官「辻本夏実」「小早川美幸」が、警察仲間たちとともに画面せましと暴れまわるアクションコメディ作品になっています。見どころとして特筆すべき点は、数多く登場する非常にマニアックなマシン描写に尽きます。作品には多くのマシン(主に車・バイク)が登場し、そのどれもが非常に細かい描写で描き分けられています。またそこから展開されるアクションシーンは、マシンに興味が無い方でも「かっこいい」と感じさせ、他のカーレース作品とはまた違うマシン達への愛を感じることができます。よりマニアックな視点からみれば、にやりとさせるマシンが作中に散りばめられており、最後まで飽きさせません。
「逮捕しちゃうぞ」をさらに魅力的にしているのが、ド派手なアクションシーンに引けを取らない多くの「濃い」キャラクターたちです。一筋縄ではいかない犯人に対して、それ以上のアクションと濃い仲間たちで難事件?に挑み、そして解決へと導く夏実と美幸の魅力は、すでに20年以上経過した作品とは思えないインパクトを与えてくれます。連載当時の日本が持っていた無限の勢いを感じさせるような、時代の勢いをひしひしと感じられる、そんな作品です。