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遊☆戯☆王

高橋和希の遊☆戯☆王(遊戯王)電子コミックレビュー

遊☆戯☆王(遊戯王) 【電子コミック】

著者 ページ数 クチコミ評判
高橋和希 312ページ ★★★★☆

カードゲームの王様の原作

遊☆戯☆王は1996年から2004年まで週刊少年ジャンプで連載されTVアニメ化もされ、カードゲームの販売でも大成功した作品です。今でこそ遊戯王といえばカードゲームを連想する方が多いでしょうが、作品の初期の頃は武藤遊戯の別人格である闇遊戯が悪人を裁くことを繰り替えすスタイルでした。初期の頃はカードゲームはまったくでてきません。しかし、いずれの時期であっても人の心に関しての物語であることが遊戯王の見どころではないでしょうか。闇遊戯の懲悪の方法はゲームであり、闇遊戯が負ければ悪人たちは裁かれることもありません。しかし、ゲームを通して悪人たちは欲望をすべてさらけ出してしまい、それゆえに負け罰を受けてしまうのです。

ゲームは心理戦を伴うものもありますが、カードゲームが主流になった時点でもやはり命のやり取りをしなければならない危険なゲームは存在しているのです。また、敵役・悪役に限らず闇遊戯や体の持ち主である武藤遊戯その人、彼らを取り巻く味方の人々にも心の闇、心が抱える問題はのしかかってきます。

それを解決するのもまた心なのです。それは自分の中の強さであったり、他者から与えられる絆であったりします。中でも一番重かったのが、闇遊戯の抱えていた心の闇です。彼の正体にも直結する問題ですが、後々思えば、それゆえに、彼は悪人に対して私刑とも思える罰ゲームを課していたと推測することもできます。ゲームの展開以上に、登場人物の心の揺れ動きにも注目すべき作品です。



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