下種人間極まれり!ドラマ化もされたジョージ秋山の名作銭ゲバ
銭ゲバは1970年から1971年にかけて週刊少年サンデーで連載されていたというから驚きの作品です。主人公の蒲郡風太郎がなぜお金にこだわるようになったのかといった、背景から物語は始まるのですが、多くの漫画の場合だらだらと飽きられがちなものですが、この銭ゲバは違います。なぜお金に汚くこだわるようになったのかというのがさらっと入ってきます。1970年の作品ですので絵などは幾分古い感じがするかもしれませんが、無駄な線が少なくその分読みやすくはっきり言って子供向けではなく大人向けの漫画です。
ネタバレ的書評
以下は銭ゲバ1巻のネタバレも書かれています。
確かに銭ゲバは非常に面白くはあるのですが、風太郎はどうにもこうにもピンチになるとすぐ人を殺して問題を解決しようとするのでいささかそこが単調かなと思います。境遇には同情しますし父親のひどさも際立ちますが、だからといって問題解決に際して「ワンパターンの殺人」というところはどうにもこうにも。次の展開は気になりつつも人でなしとののしった父親のようになっていく下種人間風太郎を応援しづらいのがマイナス点ではあります。
しかしながら、このような短絡的行動は執着心への裏返しと取ることができ主人公「蒲郡風太郎」の情念を見事なまでに書きあげているともいえます。いずれにせよ名作の枠からは決して外れない作品です
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