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陽だまりの樹

手塚治虫の陽だまりの樹(電子コミック)

陽だまりの樹 小学館漫画賞青年一般部門受賞【電子コミック】

著者 ページ数 クチコミ評判
手塚治虫 253ページ ★★★★☆

手塚治虫が描く激動の幕末

「陽だまりの樹」は手塚治虫の作品で1981年から1986年までビッグコミックで連載された作品で2000年には日本テレビ系列でTVアニメ化され、2012年にはNHK BSでドラマ化もされた人気作品です。

本作「陽だまりの樹」は「ブッダ」「アドルフに告ぐ」と共に手塚治虫の後期を代表する大作であり、劇画テイストなタッチで描かれています。幕末の志士達の人間模様を描いており、坂本龍馬、山岡鉄舟、福沢諭吉、勝海舟、グラバーなど錚々たる歴史的偉人が登場します。しかし主人公は二人の無名の人物です。

一人は手塚治虫の先祖、手塚良庵で、もう一人は凄腕の侍、伊武谷万二郎です。医者の良庵は女遊びが大好きで、ちゃらんぽらんな男ですが、仕事に関しては情熱的で多くの人々を救い、幕府を助けるような仕事をやり遂げます。万二郎は頑固で一本気、良庵と事あるごとに対立しますが、強い友情で結ばれています。万二郎も凄腕の剣術で多くの人を救い、幕府に対して多大な貢献をします。

その働きぶりは坂本龍馬や山岡鉄舟が認めるほどです。倒幕の際に万二郎は幕府が負けると分かっていながら、最後まで幕府に忠実に尽くし、倒幕派と闘います。そんな偉大な二人ですが歴史に名前が残りません。西郷隆盛は亡くなった万二郎の仏前に手を合わせに来ます。良庵は自分の人生を回想し、自分はともかく万二郎ほどの人物が亡くなってしまったのは惜しいと呟き、その後も黙々と自分の仕事を全うしながら亡くなります。



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