今の時代だからこそ見て欲しい70年代の隠れた名作
馬がゆく!は、仮面ライダーやサイボーグ009を書いた石ノ森章太郎の作品でビッグコミックにて1972年に連載された作品です。SF作品が多い石ノ森章太郎には珍しく、70年代の様々な人間の欲望を描いた風俗漫画です。
主人公大財閥の御曹司、風祭九朗は通称馬九朗と呼ばれています。バッグ片手にぶらぶらといろんな街を放浪しています。バッグの中に、数億円の現金を詰め込んでいるので、いろんなトラブルに巻き込まれてしまいます。
風祭九朗のバッグの中の現金を狙うために、いろんな男が馬九朗を襲います。女も馬九朗のバッグの中の現金がほしいがために、身体と心を売り馬九朗に近づきます。いろんな欲望がうずまくので、読んでいてもはらはらどきどきしてしまい、ついつい時間を忘れて読み続けてしまいます。
風祭九朗は、けしてイイ男ではないけど、度胸と気風の良さでは男の中の男です。破天荒な馬九朗の生きざまに、男も女も不思議と引き寄せられてしまいます。読んでいるだけで、自然と馬九朗の不思議な魅力にどんどん引きこまれてしまい、自分もあんな風に生きられたらどんなにいいだろうと考えさせられてしまいます。
現代は、こういった破天荒な生き方をする人が少なくなってきたので、今の時代にもう一度この作品を読んでみると、自分の人生に大きく役にたちます。